絵本紹介『はるとあき』

子どもと絵本を結ぶ VOL.180にて絵本紹介させていただきました。

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『はるとあき』

斉藤 倫・うきまる 作
吉田 尚令 絵
小学館

手紙を通してめぐる季節

「そういえば わたしは あきに あったことがない。」と気づいた”はる”。「そうだ あきに てがみを かこう」とおもいつき、手紙を書きます。春夏秋冬と季節は巡り、1年がすぎ、”はる”に”あき”からのお返事が届きます……。

ページをめくるたび、春の陽だまりのような温もりと、秋の夕暮れのような静けさが交互に訪れます。 繊細であたたかな絵と、優しい詩のような言葉が重なり合い、季節の息づかいと”はる”と”あき”の想いを優しく包み込みます。 手紙の中には春の景色として桜やイチゴ、秋の景色としてコスモスや紅葉が登場し、春と秋の季節の美しさを楽しむことができて、読むたびに幼い頃の記憶がよみがえります。

私は春も秋も好きですが、秋は特に心を動かされる季節です。 食欲の秋、運動の秋、芸術の秋といわれるように、秋は彩りに満ちています。 なかでも幼い頃、祖父と姉と一緒に訪れたコスモス畑の風景が忘れられません。 柔らかな風に揺れる花々の中で、三人で笑い合ったあの穏やかな時間を、本書がそっと思い出させてくれました。

”はる”と”あき”の手紙のやりとりは、会えなくても通じ合う心のぬくもりを感じさせます。 忙しい日々の中で忘れがちな「誰かを思う気持ち」や「季節を味わう心」を取り戻させてくれる絵本です。 秋が深まる今の季節にぴったりの一冊です。

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